茨城県知事宛陳情書
茨城県の掲げる「基本構想」では、県民一人ひとりが、質の高い生活環境のもとで安全・安心、快適に暮らすことができる「生活大県」を目指している、のですが、このメガソーラー施設は私たちの暮らしを”危険・不安、不快”なものにしました。
茨城県の将来像は、豊かな自然を守り、環境と調和した生活を送ることができる、ことです。
特に旧八郷は、都市化するつくばから自然豊かで静かなベッドタウンや週末の住処として転入者が増えているはずです。
メガソーラーや住居に接近した中型ソーラー、自然を破壊する工業施設/環境施設のある集落に、転入する魅力はありません。
そして、福島原発事故からの放射能汚染が茨城の農業を苦しめ、風評も手伝って若い農業従事者や新規就農者の県外転出を止めることができません。ソーラーパネル間を耕す農業もアイデア倒れです。ソーラーの真横で、長年慈しみ育て守ってきた自然環境の急激な変化に農民は黙って涙を流しています。
県の掲げる”元気な産業”にこの中戸のソーラー事業が当てはまるでしょうか? 埼玉県に本社を置く事業主、施行者は栃木の業者、ソーラーパネルが現地雇用を産まないという理由で工業団地へのメガソーラー設置不可が議論された石岡市の例(土壌汚染により他種業の利用が限定されたため結局メガソーラー施設に)があるではないですか。
許可無く伐採したり、住民説明もなく工事を始めたり、現場の表示板に事業計画内容を知らせる記述がなかったり、日曜の作業を控える約束を破ったり、規制の狭間をかいくぐった暴力的な行為を、県は見逃すはずはありません。
なにより、2.5haの斜面、サイト内高低差は30m(google map sateliteによる)です。専門家による地質調査、および雨水排水用調整池の計画と施行後の現場確認をして下さい。
6月7日、愛知県が海上の森の太陽光発電施設のパネル150枚の撤去を要請しました。理由は「万博の理念を継承するため」の自然環境の回復です。
6月9日、大分県国東市では、地元同意得られずメガソーラー計画が中止、ゴルフ場跡地内の設置でさえ反対されているのです。
6月1日、鹿児島県は「大規模な太陽光発電施設(メガソーラー)などが自然景観や生活環境へ悪影響を与えるのを防ごうと、霧島市は県内で初めて「再生可能エネルギー発電設備の設置に関するガイドライン」を作り、1日から運用を始めた。法令上の規制がない場合でも順守事項を規定し、開発事業者の自主的な取り組みを促す。」このように動き始めました。
まさに今、私たちのふるさとの未来が決定されようとしています。20年後にソーラー産業は、自然・住環境への負荷や管理放棄、廃棄物、有害物質漏出など重要課題が山積みになります。
今「真のクリーンエネルギー:再生エネルギーを目指す」という強い意思決定を望みます。
2016年6月11日
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以下、行政関係各位へ送った意見書・質問です
県市の関係各課は、他県や他市町村、判例など参考にし、近日中に条例化するガイドラインの内容の真意を、事業者が理解できるよう努めてください。
今の所、回答も説明会もありませんので、懸念される不安点をご確認・ご検討ください。
以下の質問事項を、6月15日までにご回答ください。
市のガイドラインにあるように、「施設設置後または施行中においても適正な導入」が可能となっておりますので、必要に応じて事業中止やパネル設置の縮小などの可能性を、事業者が理解できるように努めてください。
問題点及び質問:
(1) 専門家による地質調査がされていることを確認できていますか。盛土、のり面の締め固めの確認、安全性の確認はどの課の担当ですか。
(2) 専門家による雨水排水計画は確認済みですか。その方法や、排水先の調整池の計画図は適正ですか。正しく施行されているか確認済みですか。
(3) 伐採、農林事務所による許可 (伐採から始まったようなので)、事業計画の許可などの、経緯を説明して下さい。
(4) 災害や事故、施設の生む被害や不都合など、設置後の適切な管理において、責任の所在を事前に明らかにし、緊急対応マニュアルを作成するよう事業者へ強く要請してください。
(5) 中坪側から上がって来る場合、公道からパネル (架台含む) が丸見えで、見上げる角度故圧迫感があります。
北東(サイト上部)南西(民家隣接)のパネル設置を控えるか、周囲と調和した目隠しをして下さい。景観に対する配慮をガイドラインに従って行うよう指示して下さい。
(6) 隣集落も含む周辺住民への周知を事業者へ要請・お願いして下さい。現場告知看板の適正表示を確認して下さい。面積や内容に関しての告知がないので住民が反応できなかった経緯があります。
2016年6月11日 中戸の事業用太陽光発電施設の周辺住民
以上を